すべてがFになる

すべてがFになる (講談社文庫)
最初に謝っておきます。済みません。ライトノベルではありません。
しかし、当ブログでは所謂小説と呼ばれるジャンル分けがないのでどうか御容赦くださいませ。


森博嗣は小説担当なので知ってはいたのですが読んではいませんでした。
本格ミステリというジャンルに胡散臭さをもっていた、と正直に言えばそうなります。
っつーかそもそも、ミステリ嫌いだし。怖いの嫌なんですよ。夜トイレに行けなくなっちゃうし。
ガタッっていう物音に反応して起きちゃうじゃないですか。殺人犯キタコレって思っちゃうでしょ。
特に犯人の思考が冷静に描かれていると、自分の近くに殺人が近寄って来るのですよ。マジ怖い。
殺される事、が、ある、と言われるのはそりゃもう恐ろしいものですよ。


んで、Fの感想です。
いや、もう、素晴らしいの一言。難しい理系の言葉は分かりませんが、テンポと会話のエスプリの効きが素晴らしい。
賢い人間が、少し夢見がちに小説を書くとこうなるのでしょうかね。
トリックの解にはあまり感嘆を得ませんでしたが、真賀田四季博士には萌えました。
N大行きてぇーってか近いから行くぜー ヽ(`Д´)/


ライトノベルみたい、って友人に言ったら怒られました。
でも意外と、客層被ってるんですよね。読んでみるとやっぱり近いものを感じます。
絵空事のような出来事を、かっこいい主人公と可愛らしいヒロインとで、実しやかに演じている所がとても似ている。
確かに、解によるカタストロフィは、そこら辺のライトノベルとは比べ物になりませんが、それでも似ている。
多少の謎解きの快楽は、ライトノベルには必須の要素だし。


シリーズものとしての、S&Mの成長もやはりラノベっぽい。育成ゲーの様な二人のステップアップ。
殺人事件の合間の余興としては充分過ぎるほど。やはり育成要素は、本筋から少し離れた所にあるのが楽しいものですね。

ってなわけで、既に四巻目へ突入してるわけですが、森博嗣作品は全て読むことになるでしょう。あぁ金やばいな。