ネコソギラジカル下 つづき

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)
さて、ネコソギラジカル下巻の細かな感想をまたちまちまと。


第二十一幕
…先生…真心の挿絵が怖いです…orz
つーか中の時も思ったんですけど、何でこんなにも絵柄が変わったんですかね(;´Д`)
文章上では結構な萌えキャラなのに、絵で全部台無しな感じ。


冒頭の十日間は、いいですねー。奇妙なメンツと様々な思いが錯綜している中での緩やかな時間。たまりませんね。
絵本さんと人識君で一つ話が書けそうだw
正直な所を言えば、最期の団欒は、過去の人達やまだ出て来ていない人々を出して欲しかったというのが本音。
でも早々に友と決別しちゃったし、アパートはぶっ壊されてるしで、いーちゃんの空間が限定されてしまったから無理か…んー。
もう死んでしまった人達はちょくちょくと引用で出てくるのに…。


あと、木の実の空間製作についての説明はいらない。
ってか、異能は異能でいいんじゃないかなーこのシリーズ。変に現実味持たせても逆に冷める気がする。
少年漫画のような、才能異能不可思議能力が作者の手によって、薄く織り込んで戯言世界を作り上げてきたんだから、ここでそんな、普通のこと言われても読者は興ざめっしょ。
あ、読者っていうか私、ね。
例えば「一喰い(イーティングワン)」は、そういう一撃必殺の技、という捉え方をしています。
確かにイメージ的には、山崎の超必のギロチンって絵で思い描いていますが、それを普通のレベルで返して欲しくないんです。返すなら何かバリアっぽい気合で返して欲しいのです。
同じように、木の実の空間製作は、本当に立方体位の空間に対象を閉じ込めちゃう、みたいな感じでよかったのですよ。そんな能力でよかったのに。


ま、そんなこんなで真心ちゃんのうじうじの後、西東天に対して大見得をきるいーちゃん
かっこいいね。


第二十二幕
澪標姉妹………
よし!OK!!


おkですありです許します。崩子ちゃんは二人とキャラが被るから出てこなかったのかな…。
とにかく見せ場は最強の赤と戯言の戯言。
やっぱり哀川さんは大人ですね。というか、まとめにかかってますねw
王道王道。
ダメダメなオトナの狐さんよりよっぽど大人でそれでいて子供。


第二十三幕
この挿絵は素晴らしい。マジで。


実質的な全ての終わり、全ての終着、全ての帰結。最強とその橙、戯言と悪の対決です。
さすがに読み応えがあります。
バトルシーンはしょぼいですが、これで最期だと思うと許せますね。
戯言でくるめてデコレーションが良かったのですが、闘いは外せなかったのでしょう。いつまでも結果だけ見ているわけにはいかないですし。
何かが起こる仮定、その凄まじさ、そしてその結論としての恐ろしい結果。いーちゃんは、それを客観的にも主観的にも同時に見せられるわけですね。
フィナーレとしては上出来でしょう。


第二十四幕
後日談。
はっぴーえんど。


そんなこんなで、戯言シリーズが完結してしまいました。
なんだか文句ばっかり言ってる気がしますが、私はこのシリーズ大好きです。ほんともう好き過ぎてもっと多くのお客さんに読んでもらいたいです。
流麗な言葉遊びと、くどいまでの人格形成、ミステリとしてはまぁ御愛嬌。そんな微妙なバランスながらも、圧倒的な面白さが其処にはあります。
そう、面白い。エンターテインメントなのです。露骨な萌えキャラだって、キザったらしい台詞回しだって、頼もしい仲間達だって。下手をすれば潰れてしまうような内容量を、その遠回しの戯言のただただ降り積もる量によって一つの話として形成するその手腕、それは見事と言うほかありません。
シリーズ完結した今、頑張って売ります。一冊が高くてちょっとラノベ層にはとっつきにくいかもしれませんが、頑張ります。
本当に、こんなに面白い小説があることを知らずに生きている人達に、なんとしても届けてあげたい。そんな思いを胸に、私と戯言の長い月日を終わります。




あ。
みんな、用語集、買う?www