世界が白く見える

というのはこういうことを言うんだろうか。
あまりの嬉しさに、頭が真っ白になって急に視界が開けて世界が白くキラキラと輝きだした。
唇と指先が微かに震えるのも抑える事が出来ない。
心の中を全てさらけ出す為の言葉が思いつかないほど、感情の渦が心の中で暴れまわっている。
自分の中に、まだこんな、童話の中にしか出てこないような清流の如き想いが残っているなんて思わなかった。
幸せ、という言葉の意味を…初めて…生まれて初めて、理解できたような…甘酸っぱくも誇らしい目覚めを、今日私はしたのかもしれない。
抑え切れない自らの思いを、一見不可思議なものに例えて表現する詩人の気持ちが今ならわかる。
到底この溢れ出す喜びを、意味のある言葉になどできはしない。その事を、今なら理解できる。
あぁ、もう何も手につかない。今この瞬間も、常に私の指は歓喜にうち震えている、その指を見ている私もまた震えている。




世界がある事に感謝した。