30分勝負

次のお題は………「珍しい」…って形容詞かよ!


岐阜は高山に旅行に来て二日目。そろそろ自由行動の時間になる。
「佐藤君はどこへ行くの?」
「ん、俺?俺は…適当に回ろうかと思ってる。予定立てるの面倒だし」
「そっかぁ…」
「下倉、お前は?」
「えっと、私は………陶子ちゃん達と名所旧跡巡り、ってやつかな」
「そっか…」


修学旅行初日に後のことも考えず勢いで告白した男、佐藤隆也は、恥じらいながらも
「…うん…いいよ」
と答えてくれた女神、下倉朝香と恐れ多くも二人きりの会話を弾ませていた。
「どっかで会えるといいよなぁー。偶然」
急に肩をボンッ!っとあり得ない勢いで叩かれた。
まぁ、実際は二人きりになれるはずもなく、周りが聞き耳立ててるような旅館のロビーで無理矢理二人空間を作っていただけなのだが。それにしても痛いだろ、今のは。
「さ、佐藤君…大丈夫?」
「あーあー、平気だよこいつは。下倉さんが心配する事の程じゃない。あまりに幸せなんで頬をつねられてみたくなる、あれと一緒さ」
肩に置いた指をさらに食い込ませて………友人の三橋が下倉に笑いかけた。
「さすがは我が友三橋。俺の言いたい事が分かってるな」
「そうだろそうだろ。なんなら続けて鳩尾に一撃ってのもありだぜ?」
「ははは。そいつは素敵だなジョニー、それなら夢も覚めるってもんだ」
「HAHAHA。そうだろマイケル、今ならグリコもついてくるゼ!」
「OH!そいつは夢のようだなジョニー」
振り上げて多少の残像を残しながら振り下ろす拳の前に、ジョニーは突っ伏した。


「では、これから自由時間だ。各自好きなように廻ってくるがいい」
そう、総指揮を執る先生が声をかけると、皆思い思いの方向へ散らばっていった。
「さて、俺たちも行こうぜ」
今までピクリともしなかったジョニーが何故か立ち上がり肩に腕を回してきた。
「何だよ。俺は1人で行動するんだっつーの」
「照れるな照れるな。とりあえず茅葺屋根でも見てみようぜ。あ、火付けんなよ?」
「つけねーよ。っつーか何でお前と一緒なんだよ」
「いいじゃないか。一緒にいれば少しでも幸せを吸い取ってやれるだろこの裏切り者」
「んあ?!何だ、知らねーよそんなの。うぜぇからその腕どけろ」
「まぁまぁまぁまぁ。あらあらあらあら」
「キモイ」
「よし、話もまとまったし、行くか」
「どこがだよ」
そうして三橋は、俺の前をずかずかと歩き出した。
「しょうがないな…」
蛍光ペン(赤)の点が所々残る白地図を見ながら、
「おぃ、最初は朝市に行くんだからな」
「いいな、漬物買おうぜ」
そうして俺の修学旅行二日目は始まったのだった。




はい。終わり。
珍しい、ってどこが珍しいのかそのネタを出せないまま時間切れですw
…。
…。
…。
いやいやいやダメだろそれは。


なんつーか、一つの単語を与えられると前説がぶわぁーっと頭の中に構成されるんですよね。
んでも、その核心の部分に関してはほとんど思い浮かばない。
前説をこうして書いているうちに
「あ、そんな展開いいなー」
とか独り言をぶつぶつ言いながらニヤニヤするだけなんです。
そんなん、30分という決められた時間内では収まるはずありませんね。
もっと書くスピードを上げなきゃ。あと、書きたいことと書かなきゃいけない事と書かなくてもいい事をもっと、自分の気持ちに反して足したり引いたりできるようにしなくちゃいけない。


ちなみにこれは全て、後日見るお前に言ってるんだ、分かってるのか私。きちんと今日気付いた反省点は生かせよ、自分。